ニュース

8年ぶりの主演映画で堺雅人が「長く愛していただきたい作品」とアピール!「平場の月」製作報告会見(2025.05.22)

2018年に刊行され、発行部数20万部を超えた朝倉かすみによる「第32回山本周五郎賞」受賞作品の映画化「平場の月」の製作報告会見が5月22日(木)に行われ、主演の堺雅人をはじめ、共演の井川遥、会見をもって出演情報が解禁された中村ゆり、でんでん、吉瀬美智子、坂元愛登、一色香澄、そして土井裕泰監督が登壇した。原作でも実在の地名や店舗が多数登場して話題となっていたが、堺は「朝霞、志木、新座のいろいろな方々と出会って、素敵な経験ができました。じわじわくる作品だと思うので、長く愛していただけたら」と挨拶した。

中学時代の初恋の相手同士である男女が時を経て再会し、惹かれ合う姿を描いた原作は、互いに独り身となり、様々な人生経験を積んだ二人が意気投合し、離れていた時間を埋めるように心を通わせていく展開で、「これまでにない大人の恋愛小説」として話題を呼んだ。8年振りの映画主演として本作を選んだ堺は、「原作は読み込めば読み込むほど面白くて、気が付いたら『平場の月』の世界にすっかり入り込んでいました。土井監督は早稲田の演劇サークルの先輩だったので、『いつか使ってくれないかな?』と思っていたら30年くらい経ってしまって、満を持してという感じでずっと待っていました」と念願だった様子。

堺の言葉を受け土井監督は「機会をうかがっていたんですが、どんどん国民的な俳優になって、手の届かないところに行かれてしまって。原作を渡してからコロナ禍があり、時間がかかってしまいましたが、普通の50歳の大人で、ダメなところもあって、だからこそ愛せるキャラクターというのを演じて欲しかった。原作はいわゆるラブストーリーではない、生活と地続きの話で、50代になり、健康のこと、親の介護のこと、子供のこと、そういうリアルさが生活の一部として描かれていて、自分たちと繋がっている話だと思えました」と語った。

主人公・青砥健将が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子を演じた井川は「堺さんとは『半沢直樹』でご一緒した際に、『我々の世代の話を作ってもらえたらいいよね』と話していたので、今回は恋人役をようやく演じられました。須藤は青砥と再会するまでの時間が過酷だったので、もう一回人生を始められるのかという感じで、この年齢だからこその思いやりやすれ違いがもどかしくもありました。中学時代の須藤の強さや生き方が、私が演じた大人の須藤にも一本通っていることを感じながら演じていました」と明かした。

また、憧れの井川と姉妹役を演じた中村は「メイク室で最初にお会いして、スッピンもお綺麗だなと思っていたら、井川さんから『ずっとお会いしたかった』と言って下さり、好きな子に話しかけられた思春期の男の子のようにそっけなくなってしまって、思い出す度に後悔しています」とトホホな表情を見せ、青砥の職場の同僚を演じたでんでんは「読めば読むほど素晴らしい本で、堺君がうらやましくなりました。台詞がそんなに多くなかったので、アドリブをかましていたんだけど、監督が使ってくれたかどうかは観てからのお楽しみ」とし、何故か堺の靴を履いて帰ってしまったエピソードも明かして、会場は笑いに包まれた。

青砥の元妻を演じた吉瀬は「素敵な作品に携われて嬉しいです。大人が観て、いろいろな意味で共感できる作品だと思うので、仕上がりが楽しみ」と語り、中学時代の青砥を演じた坂元は「堺さんのこれまでの作品をとにかく観て、ふんわりと堺さんを感じてもらえるように演じられたらと思った」と明かし、映画初出演となる一色は「大人の須藤に繋がるよう意識しました。監督からは須藤の“太い”ところをどう見せるか丁寧に教えていただいて、監督の『花束みたいな恋をした』が大好きだったので、ご一緒できて嬉しかった」と初々しく語った。

最後に堺は「なんてことない話ではあるんですが、体を通して体験すると、離れられないというか響いてくる物語なので、皆さんには映画を通して、その感覚を体感していただきたい。皆さんのお人柄も出ているし、このチームでしか作れなかった本当に素晴らしい作品なので、長く愛していただきたいと思います」と締めくくった。

公開情報 東宝配給「平場の月」は2025年11月14日全国公開
公式サイト:https://hirabanotsuki.jp/

バックナンバー

ページのトップへ