山田裕貴が「ベートーヴェンの格好をしているだけで面白い」と古田新太を絶賛!「ベートーヴェン捏造」製作報告会見(2025.08.06)
19世紀のウィーンで巻き起こる音楽史上最大のスキャンダルの真相に迫る「ベートーヴェン捏造」の製作報告会見が8月6日(水)、重要文化財に指定されている自由学園明日館の講堂で行われ、山田裕貴、古田新太、脚本を手掛けたバカリズム、関和亮監督が登壇した。ベートーヴェンへの愛が重すぎる秘書のシンドラーを演じた山田は「まだ謎に包まれている部分が多い映画だと思うので、いろいろお話できれば」と挨拶し、シンドラーから熱烈に敬愛されるベートーヴェンを演じた古田は「初めてのドイツ人役なので頑張ります!いや、頑張ったあとだった」と惚けてみせた。
かげはら史帆によるノンフィクション「ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく」を基に、「地獄の花園」でもタッグを組んだ脚本:バカリズムと監督:関和亮が映画化。耳が聞こえないという難病に打ち克ち、歴史に刻まれる数多くの名曲を遺した孤高の天才ベートーヴェンは、実際には下品で小汚いおじさんだった!?世の中に伝わる崇高なイメージを“捏造”したのは、彼の忠実なる秘書シンドラーだった。ベートーヴェンの死後、シンドラーはどうやって真実を嘘で塗り替えたのか?その真相に迫っていく。
山田は「シンドラー自体は存在があまり知られておらず、秘書をしていたのも2年間だけだったようなので、日々、ベートーヴェンの曲を流して、当時のベートーヴェンの会話帳をデータでいただいて、そのメモを見ながら想像を膨らませました。ある漫画の受け売りですが、『憧れは理解から最も遠い感情』というのがあって、憧れて凄いと思い過ぎると、その人自身を理解できなくなってしまう。シンドラーもベートーヴェンを物凄く愛していたし、尊敬していたと思うので、そこは俯瞰しながら演じるようにしました」とコメント。
古田は「元々ヘヴィメタルが好きなんだけど、バレエ経験者だからクラシックも好き。ベートーヴェンは鬼才で、交響曲を発明した人だから、僕の中のイメージでは凄く変わった人だった。役作りとしては、貴族の言うことを聞かないという意味で破天荒だったんだろうなと思ったし、やりやすかった。後天的な難聴だったから、言葉は発せられたので、字を書いてもらって、理解して、怒鳴る!というパターンが面白かった」と明かし、山田は「古田さんがベートーヴェンの格好をして、座っているだけでも面白かった」と称賛した。
バカリズムは「2人とも完全に人間として何かが欠落している。これはシンドラーとベートーヴェンのことですよ!シンドラーは時間が経つにつれてキモくなっていって、異常性を隠しているのが良いキモさでした。原作がとにかく面白かったので、原作ファンに叩かれないようビクビクしながらもリスペクトを込めつつ、2時間の映画に収めようと思いました。ここは入れたいシーンだなというのを先に書いて、場面を繋げていきました」と脚本作りについて明かした。
そんな脚本について古田は「舞台では外国人を演じることがあっても、映像で外国人をやるのは不可解だと思ったけど、中学校の校内にいる人たちを当時のウィーンの人たちに当てはめるというので納得できた」とし、山田も「LEDパネルの中で演じていたので、よりファンタジー感が出たと思うし、歩くシーンもランニングマシーンに乗っていたりしました」と撮影の裏側を明かすと、バカリズムは「役者さんは誰もウィーンに行ってないんですよね。関さんだけロケハンでウィーンに行く必要あったのかな?」と突っ込んでいた。
また、メインテーマ曲として、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番 「情熱」第3章が起用され、音楽家の清塚信也氏が演奏していることが発表され、関監督は「こういう曲が最後にかかったらいいなと思いましたし、人生の起伏みたいなものを表現していて、この曲しかないと思いました。清塚さんは、以前ベートーヴェンについて語っているのを見たことがあって、凄く情熱的で、彼のパワーと曲のパワーが合わさったらいいなと思いました」とコメント。好きなベートーヴェンの曲については、山田とバカリズムは「第九」を挙げ、古田は「運命」と答え、「貴族のための音楽じゃなくなっているし、ジャジャジャジャーン!って何だ?っていうのがね」と、誰もが思い浮かぶ名曲を挙げた。
公開情報 | 松竹配給「ベートーヴェン捏造」は2025年9月12日(金)から全国公開 公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/beethoven-netsuzou/ |
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